2015年4月16日木曜日

第8回

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灰から取り出した小刀を持って、作業場へ。今日は連休初日。
なかなかO夫妻があらわれない。やがて携帯にメール。渋滞にはまった!とのことで、来てないけど始めようと、炉に火を入れる。
皆さんが来ない間に、3月はじめに骨董市で手に入れた古い文鎮を板状にする事にした。文鎮は20センチぐらいの長さの1センチ角の鉄棒。それに小さな持ち手が付いていたので、外そうとヤットコでトライしたのだが上手くいかなかった。そのままの姿で、赤くしたら真ん中についていた小さな持ち手が溶けた!緑の炎があがった。こんなに簡単に溶けるとは思っていなかったのでビックリ。炎色反応から銅だった!と推察。すぐ緑の炎は消えた。残った鉄を叩くがなかなか薄くならない。いい加減飽きた!ところでこれは終了。いつもの軟鉄の棒で、刃物の土台造り。
 具体的なイメージなしで始めたらなんだか訳がわからない変なかたちが出来た。ま、いいか⁉とハガネづくりの作業に取り掛かる。前回前々回の作品では、特にハガネについたハンマーの跡が凸凹になり鍛接の障害にもなるし、見た目も悪いしだったので、ハンマーの使い方には気をつけつけた。多少の効果はあったような気がする。
一休みして鍛接。軟鉄の上にハガネを乗せ赤めて下ろし、ハガネを移動して鉄ロウを軟鉄の上にたっぷり撒いた。そしてハガネをかぶせて、そっと上からハンマーで抑えてまた炉の中へ。赤くなったところで取り出して大急ぎで真ん中から両端へとしっかり叩いて、鍛接なんとか成功!

O夫人は、O氏が作らないなら、自分の刃物を作ると始め、ちょっと大きめの土台を製作。ハガネも叩いて、カット。鍛接に挑戦。1回目失敗。もう一度接合部分をきれいにして挑戦。鍛接できなかったら帰れない!とか言いながら赤めているのを見てW師がそばで指導、無事成功!

刃物を新しく作るのとは別に前回、刃先と根元が鍛接で来たものの真ん中がつかず曲がった作品をハガネと軟鉄を剥がして再度つけるという計画を立てていた。その刃物を再度みて、O師がそのまま剥がれている部分にロウを入れて鍛接してみたらどうかと、提案。そして実行。見たところしっかり鍛接しなおすことができました。それを見ていた?O氏が今まで作った刃物を取り出してきて全部うまくついていない部分が有るのでつけ直すということになった。一本ずつ赤めては、付いていない、刃の根元や、刃先に鉄ロウを入れて叩いて鍛接。全部で5本?ほど。

W師によれば、一度焼き入れしたものを焼き戻し、再度やきいれした刃物は、最初に出来上がった刃物より性能が良くないとのこと。S氏やT氏、私の今までに作った物は、鍛接出来なかった部分は接着剤を入れて固めた。O氏の焼き直しの刃物とのできあがりの差を比べるのがちょっと楽しみ。

久しぶりにGさんも作業に参加。アジ切りを作る、と、包丁型に土台作り。うまくできあがったら、持ち手も木で作るとのこと。見ていたら、包丁とまで行かなくても柄を別に作るタイプの小刀に挑戦してみたくなりました。

前回のように風が吹かなかったので、多少はマシだった物の、やっぱり寒いので、焼き芋デーとなった。今回は干し芋が見つからなかったので、サツマイモとジャガイモ、それに玉葱もアルミホイルで巻いて炉のまわりに置いた。ついでにバターとお塩も持参。干し芋のように炉の上にぶら下げたお芋は、火が通らず、それ以外は、おいしくいただきました。次回は、ソーセージが良いかな?いやビールが欲しくなって、作業にならないだろうなど、話が弾んだのでした。

さてちょっと暗くなってからコークスを取りだし、楢炭を赤くして、焼き入れ。焼き直しの刃物がたくさんあったので、焼き入れもたくさんしました。次々灰の中に入れ、お片付けして解散!

たくさん買ってあったコークスが無くなりました。腕が上がるとそれほど消費しなくなるハズなのですが、まだまだ未熟な鍛冶屋です。

(写真は後ほど)

第7回

215日 今年2回目のトンテンカンの日。記録しなくてはと思いつつ、飛ぶように日が過ぎて、記憶が遠くなり、従って今回は短く覚えていることだけをまとめました。

過日、W師とお会いしたときに、刃物の焼き入れをした後の熱の冷まし方で、刃物の出来上がりに差が出るという話がでました。我々が作っているような刃物は、水で焼き入れした後灰に埋めて冷ますのが良いと言うのを聞き、では、灰を用意して試したい!と考えました。そこで薪ストーブの灰を集めて山小屋から持って帰って来ました。

前回1月のトンテンカンの時は、刃物造りはしたものの寒いし、暗くなってくるしと焼き入れはしないでおわりにしました。それで前回作った刃物の形の改良と、新しく一本作るのが今回の目標です。今まで作った物を見直すと、裏のハガネの大きさに比して、刃の部分が小さくなっていました。そこでハガネの大きさ目一杯にしようと考え、刃の先端から鍛接したハガネのはじまで直線で結び、いらない部分を切り落としました。今までいつもわたなべさんが作業してくださっていたのですが、いい加減自分でと作業。



鍛接が間違い無く出来るようになるまで、しっかり訓練、つまり続けていかないと、すぐまた、上手くできなくなると認識したので、もう一本製作。出かける前にチェックした画像を頭に浮かべて、厚めで細めの鉄棒をなまして叩き、先を薄く、持ち手に丸みを着ける。今回は、なかなか上手くいった!と自画自賛。ハガネもしっかり叩いて薄くし、鍛接する面を軽く磨く。一応一人で鍛接終了。O氏、T氏も一本製作。

火の側にいるときはともかく、寒い。風もからっかぜで、しっかり着ていないと震え上がる。一月に差し入れのあった焼き芋に味をしめ、再度Oさんにお芋の用意をしてもらい、私は、干し芋を持ち込んだ。暖かい物を食べると、ちょっと幸せ!でした。
日が翳り始めたところで焼き入れ!灰に埋める初めての実験。今迄と同じように赤めて、干し柿色になるまで冷まして、水の入った樽にいれる。暫く水中を泳がせ、水を切って灰の中に埋め込んだ。次の日冷めたら取り出すということで作業終了。

次の日、いそいそと掘り出した作品4本のうち、O氏とT氏の切り出しは、今まで作ったものとかわりなく、後は研ぐだけでした。ところが私の2本はなんと刃が曲がってたのです。なんで⁈

曲がった作品抱えてW師の所へ飛んで行きました。そこで良く見ると1本は、刃の真ん中が鍛接出来てない‼ これは、次回剥がして付け直す以外ない、と言うことで放置。もう一本は、ハガネと軟鉄の接着部分のどこかにしっかり接着されていていない部分が有ると思われるものの、見える部分は、着いているので、軽い金槌で少しずつ叩いて直すのがよいだろうと、叩き方を教わり帰宅。彫刻刀の曲がった刃も叩いて作ると言うのを聞いて、頑張るぞ!とはじめたがまっすぐにすると言うのはなかなか大変!あと少しでまっすぐと思うのになかなかまっすぐになりません。次回のトンテンカンの日までにはとうとう刃はまっすぐにならなかったのでした。


2015年1月20日火曜日

研ぎ、焼き入れについて

研ぎ、焼き入れ

今まで作った小刀をともかく使えるように研ぎあげたいと、電動砥石で出来るだけ毎日研ぐようにした。裏を平らに研ぐことは続けている内に出来て、全部平らにすることが出来た。反対側を斜めに刃として役に立つように研ぎ出してからが問題だった。最初から3本はW師に焼き入れしてもらった。その3本は研いで研いでと時間は掛かったがーー何しろ軟鉄もハガネも厚いのでなかなか削れないーーきれいな刃が研ぎ上がった。一本は大事にしまってもう一本は鉛筆削りとして役に立っている。もう一本は、形が今ひとつ気に入らないので、何とかいい感じにならないかな〜と、工夫の余地がないかと眺めている。
残りの2本は、焼きを入れたときに先に入った刃先と根元で刃先の研ぎあがりの巾がわずかに違っている。刃の堅さが違うので研げる厚さに差が出てきたのではないかと考えた。一度焼きなまして焼き入れ仕直したらどうだろうと、師匠に相談したところ、「焼き入れ仕直して良いことは一つもない」とのこと。このまま研ぎ続行と相成った。

焼き入れを行った後、私たちは現在もう一度火にあぶって焼き戻しを少しして出来上がりにしているが、普通は、灰の中に埋めてゆっくり冷ますのが本来のやり方で、そうして灰の中で熱が均一に広がり焼き入れもむら無く仕上がるのだと、師匠の説明があった。そこで次回からの焼き入れには、灰を用意してじっくり冷めるのを待つようにしようと考えている。

第6回

117日(土)
今年の初仕事、吹きさらしの寒い場所ですが、覚悟して、皆さん張り切っていきましょう!と時間の連絡をしたところ、S氏からなんと手首の骨折のお知らせ。お大事に!と言うことで、参加者はO、T夫妻。Gさんはお仕事で不在。W師は大理石を彫りながら参加者の監視!

今日は、先月W師に見せてもらったすっきりしたデザインの小刀を頑張るぞ!と作業開始。前回ののこりの軟鉄の板、約3×7センチ位の板から小刀を打ち出すというのが目標。トンテンカンとんてんかんと軟鉄を赤くしては叩くを繰り返し、約倍の長さまでたたき出したけれど、時間の掛かったこと!1時間以上掛かったようです。その間コークスの前に座っていたので暑くなったが、O夫妻は、研ぎをするつもりで来たからと、砥石を前に水を使っての作業。曇り空の下、1月の寒さにまともに晒されて15分作業を続けるのがやっと、と火の側に来て暖まりながら練習。

O夫妻は、研ぎのつもりだったから、刃物造りは、今日はしないとのことで、私とT氏だけが小刀作り。T氏は柄の長い小刀が目標と言うことで作業。私は、軟鉄で考えていた一応の形が出来たので、ハガネを薄くして軟鉄にあわせて切り出す。ハガネは赤いときだけ打つ、と言う基本が頭にはあるのだけどつい、もうちょっとと思い余計に叩きがちになる。まだまだ修行不足。

さて鍛接、と軟鉄とハガネをあわせてみると反っていてぴったり合わない。また、それぞれ赤めては金床で叩くのだが、なかなか思ったようにまっすぐにならない。そりを直すとき金床に置いて打っていたら、師匠に、手を放さないよう注意された。しっかりヤットコで形作る板を持って打ってそりを直していくところを見せてもらった。真似して頑張ったがなかなかまっすぐにならない。平らになったかなと思って平らな台に乗せると先だけ反っていたり、二枚合わせるとわずかにお互いがずれて反っていたり。どうにかぴったり寄り添ったようになったところで鍛接!

まずT氏が作業。赤くして赤くしてとガマンガマン!、しっかり温度をあげて鉄ロウをかけ、また赤くしてハンマーで叩く!成功!と言うことで、鍛接の要領は完璧!と言うT氏。ところが私の方は、先月パスした所為?と言うよりまだちゃんと要領が飲み込めていないというのが実情で、失敗。W師が「どれ!」と見て、「これ逆さまじゃない?」と言う。「え?」と冷静に眺めると確かに逆勝手。こっちに付けたら逆になるとかならないとか一生懸命何度も確認してたのに、ついでにT氏の作業も確認してたのに肝心の時に間違えていた。と思ったらT氏は見事に逆勝手に鍛接してたのでした。ケガの功名というか、鍛接し損ねたおかげでちゃんとした向きにハガネを付けることが出来た!と言っても、また、W師に鍛接してもらってしまった!また頑張って自分で付けねば。

鍛接出来たところで、今度は形をもう一度整えて、最後に焼き入れの予定。

午後になって曇り空が晴れて日の光が降ってくるようになったら、風が強くなり、更に寒くなってきた。夕方用事が入って居るという大石氏のご都合を有難く引用、早めに終了しましょうと、鍛接が終わったところで本日の作業は終了にした。空っ風が吹くと覚悟して来ているはずが、寒い寒い!来月はもう少し暖かいと良いな!

O夫妻が、月島にある鍛冶屋さんを見学してきたという話をしてくれた。本当の鍛冶屋さんが見学できるなら行ってみたいな〜といろいろお聞きした。世田谷区で世田谷区在勤在住の方対象の鍛冶屋の教室がありそこでは、5年やってうまくできるようにならなかったら退会!なのだと言う話。私たちは始めて約6か月。後4年半、頑張ろう!帰宅後ネットを調べたら左久作(http://www1.odn.ne.jp/hidari/)という鍛冶屋さんのようだ。



第5回

1221
今年最後の刃物造りの会開催!今日は全員集合。久しぶりのO夫妻にはしっかり鍛接をマスターしてもらうというのが今日の全体目標。私は、我が家のコーヒーウォーマーのろうそく入れを鉄の打ち出しで作ろうというのが目標。
だんだん上手になってきた!と言うことで作業日が1日になっただけでなく、はじまり時間も1時間ほど遅らせることにした。
作業場に着いてみると既にO夫妻到着!で、はじまりの時間が遅くなったとお知らせしてなかった?と焦ったのだけど、来るための道路が空いていたため、それも高速使ってた!で、あっと言う間に着いたとのこと。それから炉の準備。

火が熱くなったところで、O氏に始めるように勧めたが、O夫人が始めたもののO氏は後から、とのことで、私が作業開始。軟鉄を赤くしてセッセと叩いて伸ばす。伸びるのびると言いたいところだけど、なかなか伸びないし、薄くなったところは油断すると老ける。一ヶ月の空白で腕が落ちた!と言いたくなるけど、実はまだそんな腕は上がってない、ちょっと後戻りしたというところ。

今日は手持ちのコーヒーウォーマーのろうそくを乗せる部分を作る予定。鍛接無しの作業で、鉄の扱いに少し上達しようという試み。コーヒーウォーマーはこんな形。



そして作りたいのは右図のようなキャンドル入れ。

同じ形でなくとも同じような役に立てばよいので、形がいびつでもこだわらないと決めてきている。

さて、ろうそくを乗せる部分を薄くし、その後ろの柄の部分を細くして、と、悪戦苦闘。どうにかろうそくを乗せる部分を薄くした。柄の部分は細くしただけ。薄くなった部分にろうそくが入るくぼみを付ける作業が次の作業。このパイプの大きさがろうそくの大きさ、といってステンレスのパイプをT氏から渡されていた。このパイプを使って金床の穴を利用してくぼみを作り始めた。パイプは、くぼみの大きさを見るためには役に立つが、金槌で叩いてくぼみを作ろうとしたら、パイプの空間に丁度ハンマーがはまり込んでしまった。パイプを叩けばと簡単と思ったのに、叩ける場所が無くて、役立たず!

それで、丸タガネをW師からお借りして金床の丸い穴にはまるようにしてくぼみ作り。こちらは結構うまく行って、ろうそくが立つ部分は完成。


さてこれで持ち手を作ればいいと手の部分を切って形作った。大体できた、と平らな場所に置いてみたらなんと柄が重すぎて、ろうそく立ての部分が浮き上がってしまう。

持ち手部分を細くはしたけれど、充分を薄くしてなかったのが、まずは失敗の原因。
あれこれいじってみた物の、結局ウォーマー用には使えないと、こちらの作業は保留。

ちょっと休んでいる間に、ステンレスも火を入れたら変形させられるとわかり、当面このウォーマーのろうそくを出し入れするのに使っている卵の黄身を分けるセパレーターを変形させることに決めた!



赤くして叩くとあっさり変形。
ステンレスはなかなか変形させられないけど、この手は使える!と、家で作業に使うステンレスの品物で使い勝手の悪い物は何だったっけとちょっと考えたのでした。叩いたステンレスの卵分離器、家に帰って使ってみれば、無くなったろうそく入れほどでは無くても大分使い勝手が向上したのでした。


私以外の方はそれぞれ、一本小刀を作成して今日の作業は終了。

その後、場所を移して忘年会。それぞれ今年の作業を振り返ったのでした。