第3回2日目
2014年9月21日
研ぎ
今日は僕と同じ15分で作れるなら新しい刃物作っても良いですよ〜というW師の宣言と共に、研ぎ作業に決定。昨日の作業あとを片付けてみると、最初の作業時に使ったコークスの何分の一になるのか?約10キロ、袋半分のコークスを使っただけで全員最低1本は刃物を作る事が出来ている。習うより慣れろとは良く言ったものと言う感じ。教えていただいた作業内容の半分どころか4分の1も分かっていなかったと今になって思う最初の日から考えて良くここまで来た物だとちょっと感心!
荒砥は、我が家で自分たちが使うために買った砥石とW師の手持ちの物だけだったので新たに2個かいたして、全員が研ぎをすることが出来るようにした。まず全員が刃の裏、ハガネをまっすぐに研ぐことから始めた。
私は一番最初に作った小刀のハガネの研ぎをした。刃先がしっかり鍛接出来ていないためか裏を研いでも研いでも何故か刃先の部分がきれいにまっすぐにならないと困っていたらGさんが刃物を眺めて柄の部分が曲がっているので、その曲がった部分が引っかかったときに刃先を曲げて研いでいると教えて下さった!なるほど!、と気を付けて研いでみるとその通り。砥石全部を使って研ごうとすると曲がった柄が引っかかる。やむを得ず砥石を片側だけ使って時々砥石の向きを変えることにし、しばらく研いで何とか平らにすることが出来た。次に今回作った内、最初に作った方を研ぐことにした。研いでみるとハガネはそれほど厚くはないが、均一でないと言うことが分かった。ごくわずかな凸凹を無くすだけ、とおもってもハガネは固くなかなか削れていかない。しばらく研いでは休み研いでは休みと作業を続ける。1週間掛かるかな〜?と少々あきらめの境地。多少凸凹を減らすようにグラインダーをかけていただいたが、かけていただいた部分が消えるようになってもまだ最初に付けた凸凹は消えない、と言うことは、のんびり構えないと無理と言うこと。そこで皆さんの作品を見せてもらってあとの作業は家でぼちぼちすることに変更。
作品集(?)
まずはT氏。左から最初に作った物、2回目、今回。上の写真が表、下は裏。
次はS氏。やはり左から初めての作品、今回の作品、2度目の作品。
茶色いのは、とのこ。焼き入れの時に塗った物がそのまま付いている。やはり上が表で下が裏。裏のハガネがプロの作った物のように裏になじんでいないのが納得できないと今回はハガネと軟鉄がつながる部分をなめらかに仕上げようと頑張ったとのコメントで、じっさいきれいにできていた。また、S氏の刃物は初回と今回の物は共に薄くできていて切れ味がとてもよさそう。下の写真は、デジカメ、オートフォーカスで撮したので後ろの布地に焦点が合ってしまった。それであまりはっきりしないが、それでも薄さが分かると思う。
どちらが何時のか聞くの忘れちゃったけど、どちらもユニーク。使い勝手がよさそうなのでいろいろな場面で使えそう。
最後に私の作品。上から1回目、2回目、今回造った2つ。
まだ最後の小刀は裏を研いでないがこの黒い膜がほとんど無くなると裏が平らになり、その後表面を研いで刃物の形に出来るようになる。2番目の鋼は一カ所平らになりきれていない。はがねを叩くときに均一にたたけなかった部分の傷が深くて刃の部分が平らになってもへこんだままの状態だとこれで分かる。
今回、作る時になってこんなふうにと考えながら作業したが、急に考えられる物には限りがあって、皆さんのを見て回ってこれ良いな、こんな形にしたら良かったと思う部分が色々あった。で、写真も撮らせていただいたのだが、次回までに作りたい形をいくつか書いておこうと思う。最初の時は書いてあってもまったく現実とかけ離れて難の役にも立たなかったような気がしていたが、ここまで来てみると、一度書いたというのは、それなりに頭に残って形を作る上で役に立っていたと思う。次の目標は、と言うか最終目標は握りばさみを作りたいので、その形に近づけるような刃物の形、薄さを実現するようなデザインを考えたい。
さて、前日の作業中にもせっせセッセと研いでいたT氏の砥石、もともとは上の写真ぐらいの厚さがあったのですが、なぜか減りに減って下の写真のようになりました。
そして、研いでいた砥石の下に貯まった黒い砂。すくい取れるだけ使い捨てのコップにすくい取りました。どうも金剛砂のようです。人工砥石を作る会社によって砥石の固め方に差があって、上の砥石はそんなに減らないのにT氏が使った方などんどん減ってしまったようです。
固い砥石は研いでいる最中何故かまったく研げていない滑らせているだけという感じになることがあります。Gさんによると目詰まりを起こしているのじゃないかという事でした。このすくい取った金剛砂、固い荒砥にちょっと撒いてから使うと研石の目詰まりが防げるようでいいぐあいです。またすり減ってしまった砥石、このまま使うのはもう無理ですが、鎌や曲がったのみ等普通の砥石で研げないものを、砥石を手に持って研ぐ時に使えると言うことで、W師に使っていただくことにしました。