2014年8月26日火曜日

追加の1日

特別な1日

刃物造りに参加しているメンバーで作業場所に近いところに住んでいるという立地条件の良さで、次回の予定の前に1日作業日を設定した。W師の助手としてお手伝い頂いているGさんと、私たち2人とでもう一回作業して一つずつ造ろうという魂胆。軟鉄の棒はW師がジョイフル本田で調達して下さり、岡安からは白紙2号の1メートルを2本購入して用意万端。

芸術の森に着いてみると既に道具が用意されていた。火はW師が点火、早速作業開始。
私の目標は、普通に売っているような切り出しナイフを作る。何せ研いでみると厚い鋼は、研ぎ出し作業の敵。90センチほどの細めの軟鉄を炉に入れて赤くし、持ち手の後の部分を丸くするように打つ。全体に赤くして、刃になる部分を決めて切りタガネで切り、刃物の大体の形を決める。切り取ったあと全体を叩いて整えてひとまず終了。

次はがね。1メートルのはがねを炉に入れて厚さを半分になるように打つ。赤くなったはがねを金床の上に出してハンマーで叩く。1回、2回、3回と叩いている打ちに色が赤くなくなる。「はがねは赤いときだけ叩くこと!」とW師の声。私の場合2回叩いたら炉に戻さないと色が黒くなってきてしまう。これが分かってから鋼が少し楽に伸ばせるようになった。で、多少のゆとりができて、叩いたところをみるとハンマーのあとが斜めについているのが見える!ハンマーの扱いに難あり!だな〜と思った。一応倍の巾になったところで切りタガネでこれも切り取り、鋼も一応ひとまず終了。今度は鍛接。

何しろ夏!暑くて、その上コークスがガンガンに燃えている。ひとまず冷蔵庫の前に避難。買い込んだペットボトルのお茶がおいしい!

助手のGさんは前回あまり上手くできなかった鍛接部分を焼きなまして再鍛接。私のも同じように試してみようかなと思いながら未だに自分でちゃんと鍛接出来ていない身では少々不安。いつかそのうちと言うことでパス。

昼食後いよいよ鍛接。また失敗したら嫌だな〜と思うと気が重い。W師に気楽に気にせずと言われながら座り始める。コークスを炉にたし、炎が上がったら、軟鉄とはがねを乗せる。赤くなったところで軟鉄を取りだし鉄ロウを振る。前にW師がしていたように素手で鉄ロウを振ったら熱い熱い!やっぱり手袋がいる!と手袋をまた付けて作業。軟鉄にはがねを重ねてコークスの上に戻す。赤くなるのを待って取り出しハンマーで叩く。一度、二度、ちょっと心配になって三度。で戻す。うーむ、着かなかったような気がする。やっぱりうまく行かなかったと再度鉄ロウを振って….やっぱりだめ。

軟鉄と鋼をそれぞれ金床の上で叩いて鉄ロウを落として再挑戦。今度はW師が見ていて、指導をしてもらう。出して叩いてとハンマーで叩いたところがやっぱりうまく行かない。赤いときだけでなく黒くなり始めて叩いてる。それでは上手く着きませんと教えてもらう。そうか、まず慣れない作業で手早くできない上に、力がないから、はがねも2回叩いたら炉に戻して伸ばしたのだから、鍛接だったら1回叩いたら戻して赤くするべきなのだと気がついたときはもう遅し!

はがねを薄くしたのが今回は凶となり、はがねが老けてぼろぼろになってしまった。もう一度はがねを切り出してあげるからやり直したらと申し出て頂いたが、今までも沢山手伝ってもらっているのでいい加減自分で出来るようにならねばと、再挑戦を次回に持ち越すことにして今日のコークス炉の作業終了。

W師は私の作業の前に約15分で一本切り出しを作っていた。スマートで小柄な切り出し。持たせてもらったが、見た目通り使い勝手がよさそう、次回はあの形を真似しよう!

炉に炭を入れて赤くし、W師と鍛接成功者の2人が焼き入れ。

そして、研ぎ。私はまだ仕上がっていない方を金盤という足つきの金属板の上で金剛砂を使っての研ぎをした。裏を研いだあと表の刃の角度を変えるべく作業。Gさんが、とぎ刃の角度を直すのに時間が掛かるので、砥石が回転する刃物研磨機で軟鉄部分を削ってくれた。おかげで大分はかどり、あとちょっとで刃物として使えそうなところまでたどり着いた。荒砥が終わったら中砥!

焼き入れをしたT氏は砥石でまず裏のはがねを平らにする作業。ところが砥石を丸く研いでいる。確認してみれば刃の裏もカーブ。裏がまっすぐにならなければ刃になりませんと言い渡されて練習。W師に力の入りすぎ!とか、肘が硬いとかいろいろ注意をもらいながら研ぎの修行。何とかまっすぐ研げるようになったかな?と言うところで今日の作業は終わり。

次回に向けての反省と課題


★ 砥石は砥石を平らなままに研ぐ、まっすぐ研げる感覚を身につける。
☆ 対策☆
ともかく練習あるのみ(W師より)

★ まず、ハンマーがしっかり降れない。
 1. がーんと打ってよく見ると面を平らに打っていない。
 2. 目標の場所にしっかり当たってない。
この2点で作業がうまくはかどらない。
☆ 対策☆
まずはハンマー(鍛造に使っている物と同じ物でなくて良い)で、何か(たとえば膝、たとえば土瓶敷、たとえば板きれ等々とW氏)を軽く叩いてハンマーを打つ感覚を覚える。いつでも打つ相手に対してまっすぐになるように打てるのが理想。

★ "やっとこ”の扱いが難しい。重いし、物を挟むときに手を動かすのが難しい。
☆ 対策☆
火ばさみでも代用できる。火ばさみの方が軽いし使いやすい。またもっと長いものもあるので火から離れられる。

(写真:ヤットコで鉄片を持っているが落としたりしたら火ばさみの方が対処しやすい)

★ 鍛接がうまく行かない。
☆ 対策☆
1. まず鉄の色をよく見て早めに炉に戻して熱い間だけ作業すること。

2.  軟鉄とはがねを別々に熱すると鉄に酸化皮膜が出来やすいし、接着面に汚れも付きやすい。W師のように手早く出来ればそれほど問題にならなくても、時間が掛かる場合は鍛接の障害になる可能性がある。これからは軟鉄とはがねを重ねてしっかり熱っし、重ねたまま取り出して、はがねを外して鉄ロウを振りまた重ねて熱する事で、接着の障害になるような皮膜や汚れを防ぐほうがよい。

2014年8月23日土曜日

研ぎ出し作業、他

研ぐための道具作り

「包丁と砥石」(柴田書店)という本で砥石を研ぎやすくする道具を見つけ、良いな、あると良いなと思った。ここからT氏の出番。

まずは四角い木の箱。これに水を入れその上に板を渡して砥石を乗せると、簡単に砥石をぬらしながら刃物が研げるというわけ。水の漏れない木の箱というのは少々難しいので、出来上がった丁度良いサイズの箱を調達、そこにアクリル板をはめ込み、パテですきまを埋めできあがり。砥石を乗せる板は、できた箱の端から端に渡して使う物と、私が台所の流しの隣で研ぐときに使えるように調理台の端に板が引っかかり、その上に乗せた砥石が滑って遠くに行かないように止める板をつけた物を作成。

研ぎ

おかげさまで台所作業の合間に作業が出来るようになった。最初に研ぎ始めたのは2回目に造った小刀。鍛接したハガネ部分を平らに研ぐことから始める。さすがハガネ、そう簡単には減りません。全部が平らになるまで何日かかったかな?次は反対側を刃物として使えるように斜めにやはり研ぐ。軟鉄部分はどんどん減って、すぐ刃物になりそうと思っていると、はがね部分に出会った途端遅々として進まずとなる。その上角度をしっかり決めて動かないようにと押さえる左手が、気がつかないうちに砥石をこすり血が出てる!となる。簡単な擦り傷だけど、結構家事をしたりお風呂に入ったりすると沁みて痛む。何とか一本は、荒砥で刃物の形にたどり着いた。

こちらは始めて作った小刀になるはずの物、この状態からナイフらしい傾きに研ぎ出すのにどのくらい時間が掛かるでしょう?!
こちらは、はがね部分を砥石で研いだところ。まだ全体が均一になっていない。特に刃になる部分が同じように平らになっていないといけない。まだ大分時間が掛かりそう。

参考ホームページと本

実際に刃物を造り始めてみると鍛冶屋さんの仕事って?鉄と鋼鉄の違いって?といろいろ疑問がわく。昔説明を聞いたこともあるが、単にお勉強として聞いた説明と、実践している最中の疑問とでは、切実さが違い、もっと中身の濃い説明が欲しい!とまずはネット検索。まず見つかったのが
こちらは野鍛冶の話を聞いてのレポートが主な内容。
ここに乗っていた参考文献の
「熱処理のおはなし」
「刃物のおはなし」
「包丁と砥石」
を読んでみようと図書館で検索。
熱処理のおはなしがどこを探しても見つからなかったので池袋のジュンク堂まで行ってみた。もっと易しい本をさがして
「トコトンやさしい鉄の本」
トコトンやさしい熱処理の本」
購入。

その後またネット検索して今度は
を見つけた。みてみるとほとんどがはがねを使っての刃物製作。最後の方にやっと鍛接しての刃物造りが出てくる。何も知らずに最初っから鍛造、鍛接って!簡単にできなくても仕方ないことなんだと納得。


2014年8月19日火曜日

第二回

第二回(2014年7月20日)

行ってみると既に炉のまわりに囲いがされ道具も揃えてありいつでも作業出来ます、状態。

もう一本切り出しを、もうちょっと作りたい形に近づけて作り、前回の分と併せて焼き入れをしましょうと、作業開始。それぞれ造りたい刃物の長さに軟鉄を切って、火で赤くして形作る。私は持ち手の最後を細くして伸ばし最後に丸めて穴を造るという計画を立て実行。なかなかうまく行った!と思って、最後の作業とコークスの中に入れている間にちょっとよそ見をしたら、ふかしてしまい、失敗!ぎゃ〜!と思っていたら、W師が助け船を出してくれて何とか完成。次回から絶対よそ見はしない!と誓ったのでした(忘れるな>自分)。一通りの作業が終わると熱いし、くたびれるしで、一休み。

その中で一連の作業を、途中で途切れさせずに終わるまでやりたいと、続けた仲間が一人。S氏がその人。軟鉄を形作りすぐにハガネを打って薄くし、軟鉄に鍛接。見事に完成!

午後、そろそろ焼き入れとなったが、自分で全部完成させたのはS氏一人。後に振り返って、軟鉄の整形から鋼の鍛接まで途中に休みを入れない方が良いのではないかと皆の結論がでました。それが正しいかどうかは次回の作業で分かるでしょう。


焼き入れ



さて焼き入れ。炉のコークスをすべて取り出し、炉をきれいにして新しく木炭を起こす。そして水を張った桶を炉の側に設置。

まずはデモンストレーション!鍛接された小刀に砥の粉を塗って乾かした物を炉に投入。赤くなるのを待ち、取り上げ、赤みがだんだん変化し柿渋のようないろになってきたところで水の中に入れて何度か水をくぐらせる。その後、再度火に刃物をあてて焼き鈍し。そして炉の脇で冷えるのを待った。次は自分で焼き入れする人、先生に任せる人とわかれ、私は次回に挑戦と言うことで今回は焼き入れをお願いした。

反省会

焼き入れが終わったら、刃を付けるため研ぎ出しを行うのだが、今日はこれで一応終了。バーベキューのコンロを囲んで今までの反省と今後の予定を立てましょう!と言っている内に、雨がぽつぽつ。それっと片付け。暑い一日だったので、多少ぬれても困らなかったが、どんどん雨が強
くなり雨宿りしながらのバーベキューは声が雨音に消されて、たいへんでした。


話し合いで反省点として出てきたのは、
★ 始めに長い軟鉄(1mぐらい)で作業して上手くできず、今回は短く切ったもので作業したが、作業方法が分かってみると、長いものを使って成形し、最後に切りタガネで切断した方が作業しやすいと思う。

★ 作業中に気を散らさない。軟鉄の成形から鋼の鍛接まで一気に行った方が失敗が少ないのではないかと思われる。ただ、それぞれの作業は体力が必要なので、誰でも出来る事かどうか、次回の課題。

★ はがねを打ち伸ばす作業が足りない。もう少し薄くなるまでのばさないと鍛接後の姿が美しくない。———あとで分かるが研ぎ出して刃物にするにも時間と手間が掛かることになる。

研ぎ


雨が止んでから研ぎの仕方をメンバーのうち3人がW師を囲んで教わった。研ぎだけで1週間は覚悟して下さい!との話。荒砥ではがねを平らに研ぎ、次に表の軟鉄と鋼を斜めに研いで刃にしていく作業が次の課題。軟鉄はともかくハガネは荒砥でも少しずつしか削れない。買った切り出しを思い出してみると斜めになっている表の刃を見てもハガネの厚さはそれほど厚くはない。これから成形しようという私の手作りナイフはほとんど斜めになっていない、グラインダーで多少斜めに削った状態でもハガネの厚さは見た目に1ミリ以上ある。


T氏が切り出しの裏側、はがねを平らに研ぎ出す作業を砥石にしがみついてしばらく頑張った。砥石に平行に刃物を乗せ、平行に研ぐという作業、意外に難しい。手の動きが円を描くようになり砥石の真ん中が減って、鋼も丸くなる。これは、「まっすぐ研げるようになるまで、ひたすら練習する以外ありません。」というW師の言葉で、2回目は終了。



2014年8月17日日曜日

第一回 後片付け


後日後片付けに出かけていってみると、初日に使ったコークスはスラグという燃えかすが出来ているのに、2日目のコークスはまったくスラグが出来ていませんでした。その上、調べてみると当日買った備長炭の箱、一箱まるまる消費されてコークスを燃やすために備長炭が使われたみたい!で、何のためにコークスを買い出しに行ったのか!とがっくり来る事実が判明。販売した会社にクレームの電話をすることにした。

まわりに散らばっていた炭やコークス、そして灰をかたづけ、炉の底に落ちた灰やゴミを掬いだした。ほとんどの作業はW師がやっていてくれたのだが、炉の底は細い管で出来ていて、美丈夫のW師の腕は大きすぎたので、私の出番!だったのでした。


後日談

森田物産に電話で状況を話したところ、残りのコークスを送り返したら返金すると言う返事。こちらの話を聞いてるの?あの手この手で何とか燃やしたけれど必要な熱が出なかったと話したのに、どうやって返せと?あまりの応対にこちらがあきれて放置。損をしないためのお返事なんでしょうかね?




2014年8月12日火曜日

第一回 鍛接

第一回 2日目(2014年6月22日)

早速炉に火を入れる。

はがねを叩いて刃として軟鉄に付けられるようにする。と言うのが次の作業。サイズに切ってもらったはがねを赤くして取り出して叩く。軟鉄の時のように変形せず。びくともしないというのが感想。適当に叩いて良いことにしてしまった。これがあとで大間違いと分かる。全員、一応刃物の形になるよう軟鉄と鋼の組み合わせを作り出しいよいよ鍛接。

鍛接

地金の上にはがねを乗せてその部分を熱くする。カナトコの上に持ち出して鉄ロウを軟鉄に振りかけ、はがねを乗せ再度熱し、上下の色が同じになったところで取り出しハンマーで叩く、というのが接合の仕方と説明されたが、なかなか両者が赤くならない。コークスが足りない?風量が悪い?コークスをたせるだけたしてみるが、どうも温度が上がらないし、コークスが燃え上がらない。どうもコークスの燃える様子が違うというか、ちゃんと燃えないと気がついたのは午前中さんざん悪戦苦闘してから。炭をたしてみたらどうだろうと、買ってあった楢炭を入れてみる。ずっと燃焼が良くなり鉄も早く赤くなる。まわりを囲ってみたらどうだろうと、炉のまわりもぐるっと囲む。囲まれた中は熱いので、作業が終わったら「水!」と熱中症になりそう!にはなるけれど、ずっと作業能率が上がる。コークスを燃焼させるために炭を入れるなんて、おかしな話!なのに、背に腹は代えられないと、再生備長炭を追加で購入。何とか望む温度まで鉄が赤くなる(温度で赤さが変わる)ようになって、やっと鍛接開始。囲ってしまったので一人ずつ順番での作業になる。赤くなれ赤くなれとじっとコークスに差し込んだ鉄を眺めさんざん待って取り出して、鉄ロウを振ってはがねを乗せて再度赤くなったと叩いて戻し、付いたかなと触ってみると失敗!じゃ今度は僕が、私がとやってみるがそろって失敗。始めはなかなかうまく行かない物と気楽に言っていたW師が、自ら火のそばに来て作業をしっかり監視。温度が充分上がってない!と言う。もっと熱くしてと言う注文を聞いていると、いつまで経っても作業が進まないくらい温度が上がらない。作業していたメンバーと交代してW師が鍛接、それでもうまく行かない。コークスだけでは温度が上がらず、炭をたして炭でコークスを燃やしてるみたいな感じの炉になっている。失敗した軟鉄と鋼をグラインダーにかけて接着面を平らに仕直し、何度もやり直し。 何故かT氏のみ鍛接成功。残りの何人か(私も)は、渡辺師に鍛接して頂いた。自分で頑張った人たちは結局鍛接出来ず。


時間がどんどん経つ。本来2日で仕上げまでする、ハズが終わりそうもない状況になってしまった。皆さんにもう1日予定を取ってもらい再度集まって最後の工程をすすめようと話し合い。次回の予定が決まったところでお開きにした。本来第一回目の刃物作りを終わらせて、ちょっと「打ち上げミニバーベキュー」と考えていたのが見事に大はずれ。


2014年8月11日月曜日

第一回 初めての作業

第一回、一日目 (2014621日)

W師が地面に穴を掘り、空気を送るパイプを設置すると同時に、炉を埋め込み小刀鍛造の準備して下さった。いよいよ作業開始!だが、まだ梅雨のさなか、お天気が心配で、タープテントを持って出かけた。作業道具を揃えてW師とGさんが待っていてくれた。

まず火興し。紙と細枝を使ってコークスに火を付ける。送風機を使って炉の下から風を送ると、炎が上がってコークスに火が付き赤くなってくる。

コークスが真っ赤になったところで、W師が各自順番に軟鉄を火に入れ赤くし、ハンマーで整形し切り出しの本体を作るようにと指示される。ほとんどの参加者は、実際に鍛冶屋が刃物を作っているところを見たこともなければ、作る方法を本で読んだりしたこともなく、ざっと説明をきいただけでは、実際に何が出来るのか全く想像できない。ともかくやってみると始めた。火のまわりに座れる人数の3人ずつの予定で始めたが、慣れないメンバーで動きもスムーズに行かないので2人ずつとなった。まず軟鉄をコークスの中に押し込み赤くなるまで待つ。

赤くしすぎるとふけるから気を付けてと声を掛けられた。あとで調べるとふけるは老けると書くらしい。つまり年取ってダメになると言うことらしい。実際老けた状態にしてしまうと軟鉄がぼろぼろの状態になってしまう。


赤くなった軟鉄を金床の上に置き、赤い内にハンマーで叩きのばす。伸ばすって伸びない!四面全部を上手に叩くと形が出来ていくらしいが、そんな事本当に出来るの?状態。赤くなったかなと取り出してまだ赤くなってないと戻してしばらくおくと、今度は老けてぼろぼろ。そうなると叩くとどんどんやせていく。もうこれで精一杯!となって、タガネで切って一応出来上がり。何故か計画していたよりずっと小さい! 長いと言っても約0.3×3×( 15 ~ 50 )センチぐらいの軟鉄の棒を持って作業するのが、慣れないのでまず難しい!全員一応軟鉄の本体が出来上がったので、次は鋼を軟鉄に接着し刃物にする作業。
(写真は、切りタガネで鉄を切っているところ。炉の脇に皆の造った刃物になるはずの鉄の板が置いてある)

追加の買い物

天気もあまりはっきりしないし、次の作業は明日にしましょうとなって、道具その他をまとめた。誰かがコークスがもう無いと言う。え〜!コークスを買ったところは土日休みで、明日欲しいと言っても手に入らない。持っていたiPADWiFiで検索。最初に買いに行くつもりだった盛田物産がネット販売だけでなく店舗販売もしていると確認、電話してみると何とか閉店に間に合いそうと分かったので、コークス一袋注文。軟鉄を買えば、もう一本切り出しをつくれるから、瑞穂町のジョイフル本田で調達できないかな?と言われたので、そのつもりになって、それっと、車で瑞穂町向けて出発。


ナビのおかげで無事コークス購入。続いてジョイフル本田へ。火をおこすふいごも少々古いので、もうちょっと強力なのがあると良いねと、ふいごはありませんかと聞いて回るが、ふいごって何?と言う定員さんの反応。直火を使う作業を見たりしたりすることが無くなってるのね〜と、改めて実感。説明したら一人それならと案内してくれたのがブロアーの棚。ためつすがめつ見て、この値段なら使って試しても良いかなと思える物を購入。続いて軟鉄。はがねと違って3cm巾、180cm長さの物が約500円で買えて、なんかうれしい。

2014年8月10日日曜日

炉設置

皆で集まる23日前にW師の作業場へお邪魔した。

炉を地面にある程度埋めて、パイプを炉につないでふいごから風を送れるようにする必要があると言うことでその用意。まずセメントが必要。また火の様子が見やすいよう炉のまわりに影を作る必要もある。簡単に設置できると言うことで、石膏ボードを考えた。そこで、近くのビバホームまで急遽買い物におでかけ。あとはやっておきますという話でお願いした。

岡安鋼材で購入した炉は 

鋳物製で重い。どう使うのだろうと思っていたがこんなふうに設置された。


外から見たら炉は丸い穴になってしまった!

地面に埋めて、下の丸い管の部分に着いていた小さな丸い穴にパイプを入れてセメントで止めてある。そのパイプにふいごを取り付けると炎を上げてコークスや炭が燃えるという寸法。昔なら足で誰かがシュッコンシュッコンと空気を送るふいごを踏んでの作業となるところ、さすが現代、電気が空気を送ってくれる。もう古い物なんですよとW師の倉庫から見かけがカタツムリみたいな送風機が出てきた。実際に火をたくときはその丸い管の底に水を入れて使う。


着火するべく新聞紙と薪を入れたところ。左にちょっと見えるのがパイプ。

2014年8月9日土曜日

燃料

さて、次は岡安鋼材さんでは手に入らない、燃料。まず鋳造するためにコークスが必要というので、地元の燃料店に行って聞いてみたが扱っていなかった。どこか近くの取扱店を知りませんか?と聞いたら、思いつく知り合いとネットで検索したお店に当たってくれたが、近所では取り扱い無し。
自分でネット検索。始めに見つかったところは大量販売な上に、会社所在地は四国。東京近辺で買えるところと検索したところ出てきたのが西多摩郡瑞穂町の森田物産(http://www.morita-bussan.com)。ここなら車で行ける!ここで買おうと決めたのだが、結局、いろいろ用事が入り、そのままになった。予定の日が迫ってきたので、再度ネットで検索した結果。日本コークスという会社が板橋にあるというので電話(http://www.nihoncokes.co.jp/company/)、これから買いに行ったら買える?と聞いたら、直接販売はしていないとのこと。コークス販売の係と話し、結局送ってもらうことになった。20 kg入りを1袋注文。届いてみれば、送付元は仙台。ちょっとびっくり。炭も必要と言うことで、これは地元の足立燃料へ出かけて楢炭18キロを購入。


あと必要な、十能(炭用スコップ)、火ばさみは我が家の物を提供することにして当日を待ったのでした。

2014年8月8日金曜日

準備

小刀、特に切り出しという日本古来の刃物造りの技、軟鉄に鋼を焼き付けた刃物を造る工程を実地に教えてもらえるという、すばらしいチャンス到来!

まずは、教えて下さるW師と、作業を始めるに当たっての打ち合わせ。刃物造りに必要な道具、資材、そして購入場所を教えて頂く。
説明だけではどんな物か思い浮かばない器材もあり図を書いて頂いた。

材料の購入場所は、御徒町の「岡安鋼材(http://www.okayasu-kk.com/knife/index.html)」。
購入品:
 ◆ 全員で使用する器材等
  炉、鍛冶用ハンマー(+柄)、砥石、アミ(ロストル)、レース床、やっとこ(火造はし)、砥石(グラインダー用)、鉄ロウ(脱酸素剤)、火筒(ラッパ)、軟鉄の棒、鋼の棒(白紙2号)
 ◆個人で使用する道具等
  防護眼鏡、手袋(軍手、革手袋)

岡安鋼材さんでは、一階でこれらの材料を販売しているので、リストを眺めて購入。その後、二階に刃物が展示されているという案内書きを見て移動。二階にはいろいろな刃物が展示されていた。ぐるっと一回り見せて頂いた。また、店主のお話は大変に面白い!

はじめに

刃物を作る気があれば、何人か集まれば教えてあげますよ!という方がいる。そしてある日、何気なく友人に刃物造りを教えてくれる人がいるけど一緒に作らないかと尋ねたところ是非という返事が返ってきたところからこのお話は始まりました。