2014年11月20日木曜日

第4回作業日

もう何回目になるのか?始めの計画では、土日に作業だったのがだんだん上達、そんなに時間が掛からなくなってきたので、1日だけの作業となりました。
と言う訳で、1019日(日)いつもよりゆっくりめに9時半頃集合。今回もO夫妻はお休み。作業場は既にセットして頂いているので、早速火を竈に入れる。

頭に描いてきたのは、逆勝手の刃物。つまり普通に使えば左利きの人用。ただし、普通の右利きでも、木を向こうからこちらへ向かって削る、あるいは彫るような場合は逆勝手が必要と、Gさんに教わったので、逆勝手の刃物、それに薄手で手にすっぽり収まるくらいの物、と言う計画。

まずは一番細い軟鉄の棒を赤くし出来るだけ薄くのばす作業を開始。形はごくごく普通に細長くと言うことで、赤くなったら叩きのばし、黒くなってしまったら、またかまどに入れて赤くして叩くという事を繰りかえし、一応目的の大きさでカット。

前回までの作業は毎回暑い暑い!と叫んでいたのが、今回は火にあぶられると暑いが、火から離れればごくごく穏やかな一日。ずっと作業は楽。ちょっと休んで、ハガネの棒を取り出してこれも薄くなるよう叩く。ハガネは赤い内に叩かないと割れるので、ずっと気を付けてマメにかまどに出し入れしながらの作業。始めの頃に比べてハンマーの扱いが自分でも上手になったと思う。鉄の板からハンマーがはずれることが無くなり狙った場所に当たるようになった!と言うことはいかに始めの頃は、道具がうまく扱えてなかったと言うことがわかる。それでも叩いた板が、まっすぐ平らになっているかというと、なってない!凸凹。必死に叩いているのだけど、どうも今ひとつきれいな板にならない。今日はこの程度で妥協!と言うことで、軟鉄にあわせて切りタガネで切る。タガネの頭を打ち損なうことはないのだけど、すぱっと一回で切るほどの力がない。赤くなっていると前に叩いた場所がはっきりしなくて、切りタガネで別な場所を叩いてしまい、23度と叩いた跡が残ってしまった。

S夫妻、T氏も1本ずつ作成。
皆さん手慣れてきて、前回W師が言っていた15分で造るというところまではいかない物の、さっさと形が出来る。

ちょっと間を置いていよいよ鍛接作業をする。前回の経験を頭の中で呼び戻して、まずイメージトレーニング。炉の中の燃えかすを取り除いてコークスをたして炎を上げる。軟鉄にハガネを重ねて、炉に乗せる。赤くなったら取り出して、鉄ロウを軟鉄に撒いてハガネを乗せてまた炉に入れる。赤くなったところで取り出して。。。ハガネがずれてしまい場所をちょっとずらしたりしている間に色が変わってもう一度熱して。。。で叩いたのだが、残念!鍛接出来ず。しょうがない、一度冷まして再挑戦。

接着部分を見ると鉄ロウが溶けて凸凹になっているので、グラインダーで平らにすることに。今回は自分でチャレンジ!のハズがやっぱりW師に削って頂いてしまった!軟鉄とハガネと平らになっているか、確認。軽く叩いて修正して、再度鍛接に挑戦。しっかり重ねて赤くなるまでじっくり待つ。赤くなったところで軟鉄に鉄ロウを撒いてハガネを乗せてちょっとハンマーでおさえる。そしてまたしっかり赤くする。赤くなったところで叩いて仕上げ。出来た!フー!とちからが抜ける。ともかく赤くする!赤い間に作業するが肝心と再確認。

S氏は、軟鉄でペーパーナイフも作成。ペーパーナイフと言うことは鍛接無し。後でそれを聞いて、ペーパーナイフと言わず、鉄を叩いて何か作ってみるのも良いかもと思ったのでした。

鍛接がすんだ作品はそのまま冷ます。その間今まで造った刃物を研ぐことにした。裏のハガネを平らにしなければ刃物は出来上がらない。ところがそのハガネがなかなか平らになってくれない。始めに造った二本はほとんど叩いていないので、裏はそれほど苦労なく平らになった。その代わり、刃物としての角度がなかなか出ない。はじめ刃物らしい形に研いでみた物の、角度が60度ぐらいあって、実際に使うとお話にならないぐらい使い勝手が悪い。それから30度ぐらいになるようにとセッセと研ぐが何しろ厚い厚い鋼の板はちょっとやそっとじゃ削れない。一本ずつ仕上げていこうとはじめは思っていたのだが、だんだん一本に集中していると飽きてくる。で、飽きたら別なのを研ぐと、代わる代わるの作業になった。

しばらくして、今日造ったものが冷めてきたところで、少々形に手を入れることに。刃物の傾きや柄の部分をグラインダーで整形。まだ焼き入れしていないので今の内ならグラインダーで削って熱くなっても刃がダメになることはないので安心して整形作業が出来る。刃物全体も平らな板の上に載せてまっすぐ平らに出来ているか確認。ちょっとそっている部分を叩いて出来るだけまっすぐに直して、焼き入れの準備完了。


夕日が赤くなってきた頃を見計らって焼き入れをすることになった。コークスを取りだし、今度は木炭を赤く熾す。水を樽に用意。まず火に鍛接したものを乗せ赤く、そして白っぽく光るようになるまで待つ。取り出して、空中で白さが消え赤黒い感じになるまで一息入れる。そして水の中に。持った刃物をそのまま水に潜り込ませてぐるっとかき回して、取り出して、ちょっと火にあぶって終了。そこでW師から一言、「焼き入れの時に刃先から水に入れてますが、刃が均等に冷えるように水に入れないと、刃先が固くてなってしまい、刃の堅さが違ってしまいますよ!」。そうだよね、って思うけど後の祭り。作業中にそんなに冷静に考えられません!と言うことで次回は気を付ける!つもり。

今回は全員自分で焼き入れしましたが、Eさんは残念ながら、焼き入れする時にハガネがはずれて今回は作品無しになりました。今回は刃物の写真無し。


さて、家に帰ってからセッセと研ぎの作業。

ところが、何しろハガネを削る作業は、遅々として進まない。まいにち30分ずつ頑張る!と言っていたものの、5本の刃物を毎日研いでも研いでも減っていく感じがしない。近所のホームセンターで、Gさんのに似た包丁研ぎ機を見つけた。欲しい!となってネットでも見たりと検討。結局ホームセンターで研ぎ機と研ぎ機用の荒砥を購入。研ぎ機には中砥が着いてきたが外し、もっぱら荒砥の作業。何のかの言ってもやっぱり機械は早い。何とか次回の作業日までには形になんと出来そうな気がしてきた。