2014年11月20日木曜日

第4回作業日

もう何回目になるのか?始めの計画では、土日に作業だったのがだんだん上達、そんなに時間が掛からなくなってきたので、1日だけの作業となりました。
と言う訳で、1019日(日)いつもよりゆっくりめに9時半頃集合。今回もO夫妻はお休み。作業場は既にセットして頂いているので、早速火を竈に入れる。

頭に描いてきたのは、逆勝手の刃物。つまり普通に使えば左利きの人用。ただし、普通の右利きでも、木を向こうからこちらへ向かって削る、あるいは彫るような場合は逆勝手が必要と、Gさんに教わったので、逆勝手の刃物、それに薄手で手にすっぽり収まるくらいの物、と言う計画。

まずは一番細い軟鉄の棒を赤くし出来るだけ薄くのばす作業を開始。形はごくごく普通に細長くと言うことで、赤くなったら叩きのばし、黒くなってしまったら、またかまどに入れて赤くして叩くという事を繰りかえし、一応目的の大きさでカット。

前回までの作業は毎回暑い暑い!と叫んでいたのが、今回は火にあぶられると暑いが、火から離れればごくごく穏やかな一日。ずっと作業は楽。ちょっと休んで、ハガネの棒を取り出してこれも薄くなるよう叩く。ハガネは赤い内に叩かないと割れるので、ずっと気を付けてマメにかまどに出し入れしながらの作業。始めの頃に比べてハンマーの扱いが自分でも上手になったと思う。鉄の板からハンマーがはずれることが無くなり狙った場所に当たるようになった!と言うことはいかに始めの頃は、道具がうまく扱えてなかったと言うことがわかる。それでも叩いた板が、まっすぐ平らになっているかというと、なってない!凸凹。必死に叩いているのだけど、どうも今ひとつきれいな板にならない。今日はこの程度で妥協!と言うことで、軟鉄にあわせて切りタガネで切る。タガネの頭を打ち損なうことはないのだけど、すぱっと一回で切るほどの力がない。赤くなっていると前に叩いた場所がはっきりしなくて、切りタガネで別な場所を叩いてしまい、23度と叩いた跡が残ってしまった。

S夫妻、T氏も1本ずつ作成。
皆さん手慣れてきて、前回W師が言っていた15分で造るというところまではいかない物の、さっさと形が出来る。

ちょっと間を置いていよいよ鍛接作業をする。前回の経験を頭の中で呼び戻して、まずイメージトレーニング。炉の中の燃えかすを取り除いてコークスをたして炎を上げる。軟鉄にハガネを重ねて、炉に乗せる。赤くなったら取り出して、鉄ロウを軟鉄に撒いてハガネを乗せてまた炉に入れる。赤くなったところで取り出して。。。ハガネがずれてしまい場所をちょっとずらしたりしている間に色が変わってもう一度熱して。。。で叩いたのだが、残念!鍛接出来ず。しょうがない、一度冷まして再挑戦。

接着部分を見ると鉄ロウが溶けて凸凹になっているので、グラインダーで平らにすることに。今回は自分でチャレンジ!のハズがやっぱりW師に削って頂いてしまった!軟鉄とハガネと平らになっているか、確認。軽く叩いて修正して、再度鍛接に挑戦。しっかり重ねて赤くなるまでじっくり待つ。赤くなったところで軟鉄に鉄ロウを撒いてハガネを乗せてちょっとハンマーでおさえる。そしてまたしっかり赤くする。赤くなったところで叩いて仕上げ。出来た!フー!とちからが抜ける。ともかく赤くする!赤い間に作業するが肝心と再確認。

S氏は、軟鉄でペーパーナイフも作成。ペーパーナイフと言うことは鍛接無し。後でそれを聞いて、ペーパーナイフと言わず、鉄を叩いて何か作ってみるのも良いかもと思ったのでした。

鍛接がすんだ作品はそのまま冷ます。その間今まで造った刃物を研ぐことにした。裏のハガネを平らにしなければ刃物は出来上がらない。ところがそのハガネがなかなか平らになってくれない。始めに造った二本はほとんど叩いていないので、裏はそれほど苦労なく平らになった。その代わり、刃物としての角度がなかなか出ない。はじめ刃物らしい形に研いでみた物の、角度が60度ぐらいあって、実際に使うとお話にならないぐらい使い勝手が悪い。それから30度ぐらいになるようにとセッセと研ぐが何しろ厚い厚い鋼の板はちょっとやそっとじゃ削れない。一本ずつ仕上げていこうとはじめは思っていたのだが、だんだん一本に集中していると飽きてくる。で、飽きたら別なのを研ぐと、代わる代わるの作業になった。

しばらくして、今日造ったものが冷めてきたところで、少々形に手を入れることに。刃物の傾きや柄の部分をグラインダーで整形。まだ焼き入れしていないので今の内ならグラインダーで削って熱くなっても刃がダメになることはないので安心して整形作業が出来る。刃物全体も平らな板の上に載せてまっすぐ平らに出来ているか確認。ちょっとそっている部分を叩いて出来るだけまっすぐに直して、焼き入れの準備完了。


夕日が赤くなってきた頃を見計らって焼き入れをすることになった。コークスを取りだし、今度は木炭を赤く熾す。水を樽に用意。まず火に鍛接したものを乗せ赤く、そして白っぽく光るようになるまで待つ。取り出して、空中で白さが消え赤黒い感じになるまで一息入れる。そして水の中に。持った刃物をそのまま水に潜り込ませてぐるっとかき回して、取り出して、ちょっと火にあぶって終了。そこでW師から一言、「焼き入れの時に刃先から水に入れてますが、刃が均等に冷えるように水に入れないと、刃先が固くてなってしまい、刃の堅さが違ってしまいますよ!」。そうだよね、って思うけど後の祭り。作業中にそんなに冷静に考えられません!と言うことで次回は気を付ける!つもり。

今回は全員自分で焼き入れしましたが、Eさんは残念ながら、焼き入れする時にハガネがはずれて今回は作品無しになりました。今回は刃物の写真無し。


さて、家に帰ってからセッセと研ぎの作業。

ところが、何しろハガネを削る作業は、遅々として進まない。まいにち30分ずつ頑張る!と言っていたものの、5本の刃物を毎日研いでも研いでも減っていく感じがしない。近所のホームセンターで、Gさんのに似た包丁研ぎ機を見つけた。欲しい!となってネットでも見たりと検討。結局ホームセンターで研ぎ機と研ぎ機用の荒砥を購入。研ぎ機には中砥が着いてきたが外し、もっぱら荒砥の作業。何のかの言ってもやっぱり機械は早い。何とか次回の作業日までには形になんと出来そうな気がしてきた。

2014年9月30日火曜日

第三回 研ぎ

第3回2日目

2014年9月21日


研ぎ

今日は僕と同じ15分で作れるなら新しい刃物作っても良いですよ〜というW師の宣言と共に、研ぎ作業に決定。昨日の作業あとを片付けてみると、最初の作業時に使ったコークスの何分の一になるのか?約10キロ、袋半分のコークスを使っただけで全員最低1本は刃物を作る事が出来ている。習うより慣れろとは良く言ったものと言う感じ。教えていただいた作業内容の半分どころか4分の1も分かっていなかったと今になって思う最初の日から考えて良くここまで来た物だとちょっと感心!

荒砥は、我が家で自分たちが使うために買った砥石とW師の手持ちの物だけだったので新たに2個かいたして、全員が研ぎをすることが出来るようにした。まず全員が刃の裏、ハガネをまっすぐに研ぐことから始めた。

私は一番最初に作った小刀のハガネの研ぎをした。刃先がしっかり鍛接出来ていないためか裏を研いでも研いでも何故か刃先の部分がきれいにまっすぐにならないと困っていたらGさんが刃物を眺めて柄の部分が曲がっているので、その曲がった部分が引っかかったときに刃先を曲げて研いでいると教えて下さった!なるほど!、と気を付けて研いでみるとその通り。砥石全部を使って研ごうとすると曲がった柄が引っかかる。やむを得ず砥石を片側だけ使って時々砥石の向きを変えることにし、しばらく研いで何とか平らにすることが出来た。次に今回作った内、最初に作った方を研ぐことにした。研いでみるとハガネはそれほど厚くはないが、均一でないと言うことが分かった。ごくわずかな凸凹を無くすだけ、とおもってもハガネは固くなかなか削れていかない。しばらく研いでは休み研いでは休みと作業を続ける。1週間掛かるかな〜?と少々あきらめの境地。多少凸凹を減らすようにグラインダーをかけていただいたが、かけていただいた部分が消えるようになってもまだ最初に付けた凸凹は消えない、と言うことは、のんびり構えないと無理と言うこと。そこで皆さんの作品を見せてもらってあとの作業は家でぼちぼちすることに変更。

作品集(?)


まずはT氏。左から最初に作った物、2回目、今回。上の写真が表、下は裏。


次はS氏。やはり左から初めての作品、今回の作品、2度目の作品。


茶色いのは、とのこ。焼き入れの時に塗った物がそのまま付いている。やはり上が表で下が裏。裏のハガネがプロの作った物のように裏になじんでいないのが納得できないと今回はハガネと軟鉄がつながる部分をなめらかに仕上げようと頑張ったとのコメントで、じっさいきれいにできていた。また、S氏の刃物は初回と今回の物は共に薄くできていて切れ味がとてもよさそう。下の写真は、デジカメ、オートフォーカスで撮したので後ろの布地に焦点が合ってしまった。それであまりはっきりしないが、それでも薄さが分かると思う。


次がHさんの作品。



 どちらが何時のか聞くの忘れちゃったけど、どちらもユニーク。使い勝手がよさそうなのでいろいろな場面で使えそう。

最後に私の作品。上から1回目、2回目、今回造った2つ。


まだ最後の小刀は裏を研いでないがこの黒い膜がほとんど無くなると裏が平らになり、その後表面を研いで刃物の形に出来るようになる。2番目の鋼は一カ所平らになりきれていない。はがねを叩くときに均一にたたけなかった部分の傷が深くて刃の部分が平らになってもへこんだままの状態だとこれで分かる。

今回、作る時になってこんなふうにと考えながら作業したが、急に考えられる物には限りがあって、皆さんのを見て回ってこれ良いな、こんな形にしたら良かったと思う部分が色々あった。で、写真も撮らせていただいたのだが、次回までに作りたい形をいくつか書いておこうと思う。最初の時は書いてあってもまったく現実とかけ離れて難の役にも立たなかったような気がしていたが、ここまで来てみると、一度書いたというのは、それなりに頭に残って形を作る上で役に立っていたと思う。次の目標は、と言うか最終目標は握りばさみを作りたいので、その形に近づけるような刃物の形、薄さを実現するようなデザインを考えたい。

さて、前日の作業中にもせっせセッセと研いでいたT氏の砥石、もともとは上の写真ぐらいの厚さがあったのですが、なぜか減りに減って下の写真のようになりました。


そして、研いでいた砥石の下に貯まった黒い砂。すくい取れるだけ使い捨てのコップにすくい取りました。どうも金剛砂のようです。人工砥石を作る会社によって砥石の固め方に差があって、上の砥石はそんなに減らないのにT氏が使った方などんどん減ってしまったようです。

固い砥石は研いでいる最中何故かまったく研げていない滑らせているだけという感じになることがあります。Gさんによると目詰まりを起こしているのじゃないかという事でした。このすくい取った金剛砂、固い荒砥にちょっと撒いてから使うと研石の目詰まりが防げるようでいいぐあいです。またすり減ってしまった砥石、このまま使うのはもう無理ですが、鎌や曲がったのみ等普通の砥石で研げないものを、砥石を手に持って研ぐ時に使えると言うことで、W師に使っていただくことにしました。


第三回

第三回、一日目

(2014年9月20日)

鍛造作業

頑張って鍛接するぞ!と思いつつ、いつもの作業場へ。天気は曇り。天気予報だと明日は雨なので、今日中に刃物は作ってしまいたい。W師がいつものように待っててくれました。残念ながらO氏夫妻は都合により不参加。従って参加者4人。早速炉の準備。まわりに囲いはもうほとんど出来上がっているのでまずは火の準備。これまでの経験で火の上にもボードをかけて光と風をふせぐようにしてある。曇天は、作業をしてみると、火の調子がよく見え非常に具合が良い。


焚き付けを燃して、コークスを入れ送風機を運転。黒いコークスがだんだんに赤く炎を上げ始める!


そこで軟鉄の棒を挿入。今日は私が一番乗り。自分じゃ撮れない写真! 誰かが撮ってくれたのでした。
新しく作る刃物の形をちゃんと考えて無くて、ともかく鍛接鍛接と思っていたので、まず作ったのは前回とほとんど同じ形。ただし刃の長さはこのまえのよりずっと長くと考えて整形。家で小さなハンマーで、空きペットボトルの蓋を叩く練習をしたのが、多少成果が出たらしく、ハンマーが狙った場所からはずれることは無くなり前回よりは、ハンマーで出来る凸凹も少なくなったような気がする。前回、柄の最後、しっぽの部分を丸めるのがうまくできずW師にお願いしたが今回は無事に完了。ついでにハガネも叩いて整形。前回に懲りて薄くしすぎない、熱いときだけ、赤いときだけ叩くと、叩いては火にいれるを繰り返して整形する。

         (写真:切りタガネに、整形した軟鉄とハガネ)
切りタガネで最後に切るときも赤くしてからと、一応今までの注意は守って作業したつもり。すべて一気に作るのがおすすめという話はあるけれど、やっぱり体力不足、力不足は否めず息切れ、一休み。私が始めると向かい側からも一人、私のあとに一人と、皆さん手順が分かってきて、作業がスムーズに進むようになってきました。


一休みし、場所が空いたところで、鉄ロウを出してまた作業。鉄ロウは買ったときビニール袋に入っていたが、小さなお椀に小分けしてつかっている。前回の残りそのままお椀にあったのでそれを持ち出した。軟鉄の上にハガネを乗せ、まず両方が同じ赤さになるまで赤くする。ここからは素早い作業が必要なのでちょっと緊張。一度頭の中でまず取り出して、ハガネを持ち上げて鉄ロウを撒いてハガネを乗せて、軽くハンマーで押さえて戻す!と、イメージトレーニング。一呼吸して実行。また赤くなるのを待って取り出しハンマーで叩く。まず刃の部分を叩いてそのまま戻し、赤くなったところでまた取りだして次の部分を叩く。これを2、3回繰り返して、付いたかな?と眺めたところでは、刃の部分は無事に接着。柄に近い部分がちょっと付きが悪い。もう一度赤くして鉄ロウをいれ叩いて一応終了。ともかくはじめて鍛接出来た!と一安心。

他の方たちもそれぞれに製造。時間を見たら私の場合、始めて2時間で一応の刃物の原型が出来上がった!のでした。「うまくなったねぇ〜!」と自画自賛。ただし、実際に触れるようになって眺めてみると柄に近い部分はやはり鍛接出来ていない状態。私の鍛接作業、もう少し改良する必要がありそう。

それぞれ自作しながら時間を見て昼食。ご近所にセブンイレブンなるコンビニがあるのでお昼を買いに徒歩で出発。この間までの作業では暑くて歩く気も起きなかったのに、秋になったらしい、作業が楽になったとご機嫌で買い出し。一休み終了後、私はもう一丁作る事にした。

二丁目はしっぽをねじった物にしてみようと計画。先に作った小刀のしっぽを細くしていると何故かねじれそうになるのでそのままねじっていけばいいのではないかと叩いて伸ばしながら少しずつねじってみた。前にW師の作った小刀で持ち手がねじられた物はもっとしっかりねじれていたのだが私のは軽く1周でお終い。そのまますーっと弓形に伸びた形にして、切りタガネで切り離した。ねじるときは万力で押さえてヤットコで回すというのが普通のやり方だったらしい。そのうちと言うことで今日はこれで満足。W師が昼休みの間に、落ちていたハガネをきれいに伸ばしたものが、私の小刀の形にぴったりあったのでこれを鍛接。今回はわきでW師が見ていて、鉄ロウを入れたあと赤くして刃物部分を叩くときに見ていてもう一度しっかり赤くしたあと全体をしっかり叩いて下さった。そして出来た刃物はしっかり鍛接して付いてない部分は少なくとも目には見えないのでした!!

焼き入れ

全員それぞれ出来上がった物を持って3時頃再度集合!これから焼き入れ。前回と同じで窯のコークスを全部掻きだし一度火を落とし、再度焚き付けから始めて炭を赤くする。さて今日の焼き入れは誰がしますか?と訊かれて、T氏とHさんはW師に依頼。私は2本作ったので、はじめのは自分で、あとのはW師に依頼。まずW師が実行。私も真似して作業。赤〜くあか〜くなったところで取りだし、ちょっと黒っぽくなるのを待ってジュッと水に入れる!すぐ取り出したら、「もうちょっと入れておく!」と声が掛かった。記憶にあった入れては出しの作業のハズが手がうまく動いてない。再度水に入れ、しばらく水に入れたあと取りだし、また火にかざしてちょっと焼き鈍し。一応出来た!と言うことで一日目終了。



2014年8月26日火曜日

追加の1日

特別な1日

刃物造りに参加しているメンバーで作業場所に近いところに住んでいるという立地条件の良さで、次回の予定の前に1日作業日を設定した。W師の助手としてお手伝い頂いているGさんと、私たち2人とでもう一回作業して一つずつ造ろうという魂胆。軟鉄の棒はW師がジョイフル本田で調達して下さり、岡安からは白紙2号の1メートルを2本購入して用意万端。

芸術の森に着いてみると既に道具が用意されていた。火はW師が点火、早速作業開始。
私の目標は、普通に売っているような切り出しナイフを作る。何せ研いでみると厚い鋼は、研ぎ出し作業の敵。90センチほどの細めの軟鉄を炉に入れて赤くし、持ち手の後の部分を丸くするように打つ。全体に赤くして、刃になる部分を決めて切りタガネで切り、刃物の大体の形を決める。切り取ったあと全体を叩いて整えてひとまず終了。

次はがね。1メートルのはがねを炉に入れて厚さを半分になるように打つ。赤くなったはがねを金床の上に出してハンマーで叩く。1回、2回、3回と叩いている打ちに色が赤くなくなる。「はがねは赤いときだけ叩くこと!」とW師の声。私の場合2回叩いたら炉に戻さないと色が黒くなってきてしまう。これが分かってから鋼が少し楽に伸ばせるようになった。で、多少のゆとりができて、叩いたところをみるとハンマーのあとが斜めについているのが見える!ハンマーの扱いに難あり!だな〜と思った。一応倍の巾になったところで切りタガネでこれも切り取り、鋼も一応ひとまず終了。今度は鍛接。

何しろ夏!暑くて、その上コークスがガンガンに燃えている。ひとまず冷蔵庫の前に避難。買い込んだペットボトルのお茶がおいしい!

助手のGさんは前回あまり上手くできなかった鍛接部分を焼きなまして再鍛接。私のも同じように試してみようかなと思いながら未だに自分でちゃんと鍛接出来ていない身では少々不安。いつかそのうちと言うことでパス。

昼食後いよいよ鍛接。また失敗したら嫌だな〜と思うと気が重い。W師に気楽に気にせずと言われながら座り始める。コークスを炉にたし、炎が上がったら、軟鉄とはがねを乗せる。赤くなったところで軟鉄を取りだし鉄ロウを振る。前にW師がしていたように素手で鉄ロウを振ったら熱い熱い!やっぱり手袋がいる!と手袋をまた付けて作業。軟鉄にはがねを重ねてコークスの上に戻す。赤くなるのを待って取り出しハンマーで叩く。一度、二度、ちょっと心配になって三度。で戻す。うーむ、着かなかったような気がする。やっぱりうまく行かなかったと再度鉄ロウを振って….やっぱりだめ。

軟鉄と鋼をそれぞれ金床の上で叩いて鉄ロウを落として再挑戦。今度はW師が見ていて、指導をしてもらう。出して叩いてとハンマーで叩いたところがやっぱりうまく行かない。赤いときだけでなく黒くなり始めて叩いてる。それでは上手く着きませんと教えてもらう。そうか、まず慣れない作業で手早くできない上に、力がないから、はがねも2回叩いたら炉に戻して伸ばしたのだから、鍛接だったら1回叩いたら戻して赤くするべきなのだと気がついたときはもう遅し!

はがねを薄くしたのが今回は凶となり、はがねが老けてぼろぼろになってしまった。もう一度はがねを切り出してあげるからやり直したらと申し出て頂いたが、今までも沢山手伝ってもらっているのでいい加減自分で出来るようにならねばと、再挑戦を次回に持ち越すことにして今日のコークス炉の作業終了。

W師は私の作業の前に約15分で一本切り出しを作っていた。スマートで小柄な切り出し。持たせてもらったが、見た目通り使い勝手がよさそう、次回はあの形を真似しよう!

炉に炭を入れて赤くし、W師と鍛接成功者の2人が焼き入れ。

そして、研ぎ。私はまだ仕上がっていない方を金盤という足つきの金属板の上で金剛砂を使っての研ぎをした。裏を研いだあと表の刃の角度を変えるべく作業。Gさんが、とぎ刃の角度を直すのに時間が掛かるので、砥石が回転する刃物研磨機で軟鉄部分を削ってくれた。おかげで大分はかどり、あとちょっとで刃物として使えそうなところまでたどり着いた。荒砥が終わったら中砥!

焼き入れをしたT氏は砥石でまず裏のはがねを平らにする作業。ところが砥石を丸く研いでいる。確認してみれば刃の裏もカーブ。裏がまっすぐにならなければ刃になりませんと言い渡されて練習。W師に力の入りすぎ!とか、肘が硬いとかいろいろ注意をもらいながら研ぎの修行。何とかまっすぐ研げるようになったかな?と言うところで今日の作業は終わり。

次回に向けての反省と課題


★ 砥石は砥石を平らなままに研ぐ、まっすぐ研げる感覚を身につける。
☆ 対策☆
ともかく練習あるのみ(W師より)

★ まず、ハンマーがしっかり降れない。
 1. がーんと打ってよく見ると面を平らに打っていない。
 2. 目標の場所にしっかり当たってない。
この2点で作業がうまくはかどらない。
☆ 対策☆
まずはハンマー(鍛造に使っている物と同じ物でなくて良い)で、何か(たとえば膝、たとえば土瓶敷、たとえば板きれ等々とW氏)を軽く叩いてハンマーを打つ感覚を覚える。いつでも打つ相手に対してまっすぐになるように打てるのが理想。

★ "やっとこ”の扱いが難しい。重いし、物を挟むときに手を動かすのが難しい。
☆ 対策☆
火ばさみでも代用できる。火ばさみの方が軽いし使いやすい。またもっと長いものもあるので火から離れられる。

(写真:ヤットコで鉄片を持っているが落としたりしたら火ばさみの方が対処しやすい)

★ 鍛接がうまく行かない。
☆ 対策☆
1. まず鉄の色をよく見て早めに炉に戻して熱い間だけ作業すること。

2.  軟鉄とはがねを別々に熱すると鉄に酸化皮膜が出来やすいし、接着面に汚れも付きやすい。W師のように手早く出来ればそれほど問題にならなくても、時間が掛かる場合は鍛接の障害になる可能性がある。これからは軟鉄とはがねを重ねてしっかり熱っし、重ねたまま取り出して、はがねを外して鉄ロウを振りまた重ねて熱する事で、接着の障害になるような皮膜や汚れを防ぐほうがよい。

2014年8月23日土曜日

研ぎ出し作業、他

研ぐための道具作り

「包丁と砥石」(柴田書店)という本で砥石を研ぎやすくする道具を見つけ、良いな、あると良いなと思った。ここからT氏の出番。

まずは四角い木の箱。これに水を入れその上に板を渡して砥石を乗せると、簡単に砥石をぬらしながら刃物が研げるというわけ。水の漏れない木の箱というのは少々難しいので、出来上がった丁度良いサイズの箱を調達、そこにアクリル板をはめ込み、パテですきまを埋めできあがり。砥石を乗せる板は、できた箱の端から端に渡して使う物と、私が台所の流しの隣で研ぐときに使えるように調理台の端に板が引っかかり、その上に乗せた砥石が滑って遠くに行かないように止める板をつけた物を作成。

研ぎ

おかげさまで台所作業の合間に作業が出来るようになった。最初に研ぎ始めたのは2回目に造った小刀。鍛接したハガネ部分を平らに研ぐことから始める。さすがハガネ、そう簡単には減りません。全部が平らになるまで何日かかったかな?次は反対側を刃物として使えるように斜めにやはり研ぐ。軟鉄部分はどんどん減って、すぐ刃物になりそうと思っていると、はがね部分に出会った途端遅々として進まずとなる。その上角度をしっかり決めて動かないようにと押さえる左手が、気がつかないうちに砥石をこすり血が出てる!となる。簡単な擦り傷だけど、結構家事をしたりお風呂に入ったりすると沁みて痛む。何とか一本は、荒砥で刃物の形にたどり着いた。

こちらは始めて作った小刀になるはずの物、この状態からナイフらしい傾きに研ぎ出すのにどのくらい時間が掛かるでしょう?!
こちらは、はがね部分を砥石で研いだところ。まだ全体が均一になっていない。特に刃になる部分が同じように平らになっていないといけない。まだ大分時間が掛かりそう。

参考ホームページと本

実際に刃物を造り始めてみると鍛冶屋さんの仕事って?鉄と鋼鉄の違いって?といろいろ疑問がわく。昔説明を聞いたこともあるが、単にお勉強として聞いた説明と、実践している最中の疑問とでは、切実さが違い、もっと中身の濃い説明が欲しい!とまずはネット検索。まず見つかったのが
こちらは野鍛冶の話を聞いてのレポートが主な内容。
ここに乗っていた参考文献の
「熱処理のおはなし」
「刃物のおはなし」
「包丁と砥石」
を読んでみようと図書館で検索。
熱処理のおはなしがどこを探しても見つからなかったので池袋のジュンク堂まで行ってみた。もっと易しい本をさがして
「トコトンやさしい鉄の本」
トコトンやさしい熱処理の本」
購入。

その後またネット検索して今度は
を見つけた。みてみるとほとんどがはがねを使っての刃物製作。最後の方にやっと鍛接しての刃物造りが出てくる。何も知らずに最初っから鍛造、鍛接って!簡単にできなくても仕方ないことなんだと納得。